「ガキはいい子でお留守番だ」
「ばか!」

なにがなにがなにがなにが!ガキよ!



イザ決戦の地へ向かおうとした私とローザは飛空艇を下ろされた。
ひどいよ。ずっと一緒に戦ってきたのに、最後は自分たちだけで、なんて。
最後の敵が強大なことくらい分かりきってたでしょ?
今までだって何度も命を落としそうになって、命の保証だってなかったのに。

ぎゅ。
唇を噛む。

そうよ。そんなの、おかしい。


「おいしい所だけもってくなんて!私だって英雄になりたい!」

どわっしゃああ!!


後ろから派手に転ぶ音が聞こえたけど、とりあえず無視。
だいたい、この派手で強力な召喚魔法を使えるのはこの私だけ!
確かに物理攻力は弱いけど、そんなのはチャラに出来る位!
HP低いのは女の子だし、まあいいでしょ。
すぐ戦闘不能になる、どっかの忍者よりは大分使えるわ!
すばやさだけだもんねえ・・・アイツ。
なげる、だって投げるもんが強くなけりゃあ意味ないし。
戦闘脱出くらいかなあ?つかえんのって・・・。
(言ってて少しかわいそうになってきた・・・。この位でやめとこ。)

そう!そのバカ王子(っても26)よりも断然!可愛くって目の保養にもなるこの私を連れて行くべきなのよっ!

何でそんな奴に「ガキ」呼ばわりされなきゃなんないわけ?!
あいつの方がガキじゃん!
だいたい、初めて会ったときは「キレイな姉ちゃん」って言ったくせに!
悪いけど、私、結構可愛い方なんだから!町で1人でいると必ず声かけられるわ!

・・・まあ「きれい」じゃなくて「かわいい」タイプだけど・・・・。
それだけじゃない!スタイルは出てる所は出て、引っ込む所は引っ込んでるし、モデル体型よ!

・・・まあ、ローザには負けるけど・・・。(ローザって凸凹しすぎ・・・。)

ううん!小柄で思わず「守ってあげたい!」って感じさせ・・・・・ローザの方が儚げで、そっち向きか?
いやいや、うう〜ん、でもっ!

「リディア?」

要するに、あいつの好みはローザタイプで私ではない・・・と?

「ねえ・・・リディア?」

何よッ!エッジのクセに生意気な!見てなさい!必ずあんたが口説かずにいられない女になってやるっ!

「あの・・・ねえ・・・」

「ローザ!私、ローザみたいになりたいの!一緒に月までついて行こう!それでもって、皆に私たちが必要だって事言っちゃおう!」
「・・・リディア・・・うん、そうね・・・・!(私みたいって・・・セシルとのこと?やっぱりリディアはエッジのこと・・・)」
「そうと決まったら早速実行しよう!」

様様な思惑を乗せて、飛空艇は月へと進む。


お疲れ様でした(汗)

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